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運転者の健康管理に対するリスク(運送業WING通信) [2014.06.06]
平成26年5月20日から刑法の特別法として「自動車運転死傷行為処罰法」が施行されました。
「危険運転致死傷」の新たな類型として、アルコール、薬物及び運転に支障を及ぼすおそれのある病気(①総合失調症、②てんかん、③再発性失神、④低血糖症、⑤躁鬱病、⑥重度の眠気の症状を呈する睡眠障害)の影響により、正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で運転し、その影響により正常な運転が困難に陥り、人を死亡させた場合には15年以下の懲役、 負傷させた場合には12年以下の懲役が、追加されました。
これまでの「危険運転致死傷」の類型はアルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為によって、死亡させた者は最高20年以下の懲役、負傷させた者は15年以下の懲役であり、また、自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、過失運転致死傷(自動車運転過失致死傷を改称)として、最高7年以下の懲役ですので、新設の類型はおよそその中間に位置付けられます。
運送事業者にとっては選任運転者に「自動車運転死傷行為処罰法」の対象となる、運転に支障を及ぼすおそれのある病気の疑いはないか、改めて確認するとともに罹患の疑いのある者には病院での検査を行うことが肝要です。
また、運転者の雇入れの面接に際しては、人手不足の状況下にあるものの、運転に支障を及ぼすおそれのある病気に関する申告書の提出など、新たな対応が求められています。
加えて、6月1日からは、平成25年6月14日成立した道路交通法の一部改正が施行され、運転免許証の交付時または免許の更新時において、安全な運転に支障を及ぼすおそれのある一定の病気(①総合失調症、②てんかん、③再発性失神、④無自覚性低血糖症、⑤躁鬱病、⑥重度の眠気の症状を呈する睡眠障害、⑦認知症)に該当するか、どうかの判断に必要な質問をするため、質問票を交付することができるとされ、質問に虚偽の回答をした行為には1年以下の懲役(30万円以下の罰金)が科せられます。
万一、上記の病気により、事故を起こした場合には、運送事業者は事故前に病気を把握し、事故を起こす危険を予見できたのに、運転業務を続けさせた疑いがあるとされることがあり得ます。
2つの法律の施行により、運送事業者は運転者の健康管理に対して、これまで以上に注力していかなければ、会社にとって大きなリスクを負う状況が生じることがあり得るといえます。
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平成26年4月27日、臨時運行管理者試験の対策として、千葉県トラック協会において実施しました「運行管理者試験合格講座」が、日本流通新聞の紙面において紹介されました。
税務・会計の情報誌「Profession Journal」に、平成25年8月、高速ツアーバスが廃止され、新高速乗合バスへの移行・一本化したことに関連する記事(3回シリーズ)を執筆しました。
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