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「精神障害の労災申請、認定件数」 [2012.06.17]
こんにちは。
『東京ウィング社労士事務所』の山田です。
6月15日、厚生労働省が公表した平成23年度の「脳・心臓疾患と精神障害の労災補償状況」によれば、精神障害の労災請求件数が3年連続で過去最高を更新し、労災補償の支給決定件数も過去最高となっています。
・労災請求件数は、1,272件 (3年連続で過去最高)
・労災補償の支給決定件数は、325件 (2年連続で過去最高)
・業種では請求件数は「医療業」(94件)が多く、支給決定件数は「総合工事業」(22件)が最多となっています。
・職種別では、請求件数は①「事務従事者」(323件)、②「専門的・技術的職業従事者」(318件)、③「販売従事者」(167件)の順で多く、支給決定件数は①「専門的・技術的職業従事者」(78件)、②「事務従事者」(59件)、③「販売従事者」(40件)の順に多くなっています。
・年齢別では、請求件数、支給決定件数ともに①「30~39歳」(420件、112件)、②「40~49歳」(365件、71件)、③「20~29歳」(247件、69件)の順に多くなっています。
・出来事別の支給決定件数では、①「仕事内容・仕事量の(大きな)変化を生じさせる出来事があった」(52件)、②「悲惨な事故や災害の体験、目撃をした」(48件)、③「(ひどい)嫌がらせ、いじめ又は暴行を受けた」(40件)の順に多くなっています。
デフレ経済から脱却できない国内経済状況下にあり、ギリギリの人員しかいない労働環境と多様な雇用形態の進行よって、長時間労働やひどい嫌がらせ、いじめなどに起因する精神障害が増え続けています。
特に、働き盛りの30歳代が請求件数、支給決定件数とも、それぞれ1/3を占めていることが気がかりなことです。
『心理的な負荷による精神障害の認定基準』は、平成23年12月26日に新たに策定され、うつ病などの発病直前の1ヶ月に概ね160時間超、または3週間に概ね120時間以上の時間外労働を行った場合には、労災と認定されることになります。
一方『脳・心臓疾患の認定基準』では、くも膜下出血などの「脳血管疾患」や、心筋梗塞などの「心臓疾患」の場合には、発病前1ヶ月前に概ね100時間または2~6ヶ月間にわたって1か月あたり概ね80時間超の時間外労働を行った場合には、発病と関連性が強いことから、労災と認定されることになります。
長時間労働をなくし、ひどい嫌がらせやいじめなど陰湿な職場環境を改善するためには、労使双方、十分な話し合いが必要です。
(ご参考)平成23年度「脳・心臓疾患と精神障害の労災補償状況」まとめ
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002coxc.html
いつもご愛読いただきまして、ありがとうございました。
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