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「計画的付与」 [2012.07.05]
こんにちは。
『東京ウイング社労士事務所』の山田です。
今回は年次有給休暇の「計画的付与」について綴ります。
年次有給休暇は、労働者が心身のリフレッシュや自己啓発などを図れるように、賃金の支払を受けながら休暇をとることを認めた制度です。
労働基準法では、労使協定(労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定)により、有給休暇を与える時季に関する定めをしたときには、有給休暇の日数のうち、5日を超える部分については、労使協定で定めにより、有給休暇を与えることができることになっています。
例えば、年次有給休暇の付与日数が10日の労働者に対しては5日、20日の労働者に対しては15日までを計画的付与の対象とすることができます。
なお、前年度取得されずに次年度に繰り越された日数がある場合には、繰り越された年次有給休暇を含めて5日を超える部分を計画的付与の対象とすることができます。
労働者に計画的付与の有給休暇がなく、会社の都合として休ませたときは、「休業手当」(平均賃金の100分の60)を支給する義務があることを留意しておく必要があります。
つまり、最低5日間の有給休暇については、労働者が病気その他の個人的事由による取得ができる日数として残しておかなければなりませんが、残りの有給休暇については、会社が有給休暇の取得について計画的に定めることになります。
計画的な付与の方法として、会社が①事業所単位、②班・グループ単位、③労働者個人単位による付与があります。
なお、計画的付与を行った場合は、この有給休暇については労働者の時季指定権及び使用者の時季変更権ともに行使できなくなります。
夏休みや年末年始をはじめ節電対策も含め、まとまって、計画的な有給休暇を付与することは、労働者ばかりでなく、会社にとってもメリットがある制度であり、更に活用されるべきだと考えます。
また、まとまった有給休暇の付与により、観光需要が増加し、日本経済の活力アップに繋がることも考えられます。
最後までご愛読いただきまして、誠にありがとうございました。
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