ウイング経営労務コラム

「労働保険の年度更新」   [2012.05.26]

「ウイング経営労務コラム」に、ご訪問いただきまして、誠にありがとうございます。

 

今回は、「労働保険の年度更新」について、綴ります。

労働保険(労災保険と雇用保険)の保険関係が成立している会社は、年度(4月1日から翌年3月31日まで)毎に、毎年6月1日から7月10日までに「労働保険の概算・確定保険料申告書」を提出することになります。

1.保険料の計算方法

 労働保険料は「年度の賃金総額」に「保険料率」を乗じて計算します。

(1)まず、年度の初めに概算保険料を申告します。

(2)次に、翌年度当初に確定保険料を算定し、納付します。

(3)この処理を年度毎に連続して行うことで申告・納付します。

つまり、「前年度の確定精算」と「新年度の概算計算」を同時に行うことを、「年度更新」といいます。

通常は概算額と確定額は一致しないため、その差額を翌年度の概算保険料と差し引き調整(充当・還付または追加納付)します。

 

(例)平成23年4月1日に労働保険に加入の場合

クリーニング業、従業員10名、全員が労災及び雇用保険に加入、年間賃金支払見込額3,000万円、実際の賃金支払額2,700万円

①概算払い 

3,000万円×(労災保険料率3/1,000+雇用保険料率15.5/1,000)=555,000円

②平成24年4月1日以後、確定精算

2,700万円 × 18.5/1,000 = 499,500円

①-②=55,500円を払い過ぎたため、翌年度の概算保険料から55,500円

差し引いて納付する。

 

2.計算ミス防止のポイント

間違えやすいものとして、2つあります。

(1)賃金総額を間違える。

・賞与を賃金に算入していない。

・アルバイトの賃金を労災の賃金総額に算入していない。

・64歳以上の雇用保険料免除者の賃金を誤って算入している。

・年度途中の雇用保険上の異動(資格取得・喪失)が反映されていない。

・解雇手当金を賃金として算入している。

(2)保険料率を間違える。

・登録した産業分類が誤っている。

(建設業を不動産業として登録しているなど)

・法改正による保険料率の変更が反映されていない。

 

(注)平成24年4月1日改正

・労災保険料率

 最小2.5/1,000 (前年度  3/1,000)

 最大 89/1,000 (前年度103/1,000)

・雇用保険料

 一般の事業 13.5/1,000 (前年度 15.5/1,000)

 農林水産等 15.5/1,000 (前年度 17.5/1,000)

 建設の事業 16.5/1,000 (前年度 18.5/1,000)

 

自社で年度更新の処理をされている会社様は、ご参考にしてください。

ご愛読ありがとうございました。

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