ウイング経営労務コラム

「改正労働者派遣法」   [2013.01.14]

こんにちは。

『東京ウイング社労士事務所』の山田信孝です。

「改正労働者派遣法」が、労働者の保護等の観点から、平成24年10月1日(労働契約申込みのみなし制度を除く。)から施行されました。

1.日雇い(日々又は30日以内の期間)派遣は、原則禁止

(例外)

日雇労働者の適正な雇用管理に支障を及ぼすおそれがないと認められる業務

ソフトウエア開発、機械設計、通訳、翻訳、秘書、受付・案内、広告デザイン等。

雇用機会の確保が特に困難な労働者等を派遣する場合

60歳以上の者、昼間学生、生業収入500万円以上の者が副業として従事する場合及び主たる生計者でない者。

2.グループ企業派遣

グループ企業内の派遣会社が当該グループ企業に派遣する割合を制限

当該グループ企業への派遣割合を8割以下に制限する。

(派遣割合は労働時間で計算するが、ただし定年退職者は算定から除外する)

派遣元事業主へのグループ企業内派遣の派遣割合の報告を義務化

事業年度終了後、3ヶ月以内にグループ企業内派遣の派遣割合を報告する。

3.離職後1年以内の労働者派遣の禁止

①派遣元事業主の義務

離職した労働者を、離職後1年以内に離職前事業者へ派遣することを禁止する。

②派遣先事業主の義務

離職後1年以内の労働者を派遣労働者として受け入れることを禁止する。

(例外)(①,②とも)

60歳以上の定年退職者。

4.派遣労働者の無期雇用化及び雇用の安定

①派遣労働者の無期雇用化

派遣元事業主との雇用期間が通算して1年以上である「有期契約の派遣労働者」等について、労働者本人の希望に応じ、次のいずれかの転換推進措置を講じるよう、派遣元事業主に対し、努力義務化を図る。

無期雇用の派遣労働者又は通常の労働者として雇用する。

紹介予定派遣の対象者とすることを通じて、派遣先事業主での直接雇用を推進する。

無期雇用への転換推進のための教育訓練等の措置を講じる。

②派遣契約の中途解除への対処

派遣先事業主の都合により、派遣契約を解除する場合には、派遣労働者の新たな就業機会の確保、休業手当等の費用負担等の措置を、派遣先事業主に対して義務化する。

派遣契約に派遣契約の解除時に講じる新たな就業機会の確保、休業手当等の費用負担等の事項を盛り込むことを明示する。

5.均衡待遇の確保

①マージン率等の情報提供の義務化

派遣元事業主に対し、事業所ごとの「派遣労働者」、「派遣先数」、「マージン率」、「教育訓練等の情報提供の義務化

・「マージン」とは、

派遣料金額(派遣元の収入) - 派遣労働者に支払った賃金額をいう。

・「マージン率」とは、

労働者派遣の料金額の平均額 - 派遣労働者の賃金額の平均   

       労働者派遣の料金額の平均額

 毎事業年度終了後、上記計算結果をインターネット等で情報提供する。

②派遣料金額の明示

派遣元事業主に対し、雇入れ時、派遣開始時、派遣料金額の変更時において、派遣労働者への「労働者派遣の料金額」の明示(書面、メール等)を義務化する。

6.労働契約申込みのみなし制度 平成27年10月1日から施行予定

派遣先事業主が一定の違法派遣(偽装請負など)を受け入れ、違法状態が発生した時点において、派遣先事業主が派遣労働者に対して、当該派遣労働者の派遣元事業主における労働条件と同一の労働条件を内容とする労働契約の申込みをしたものとみなす。

最後までお読みいただきまして、誠にありがとうございました。

 

 

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