ウイング経営労務コラム

「新高速乗合バス」の交替運転者の配置基準(案)   [2013.02.17]

こんにちは。

『東京ウイング社労士事務所』の“運送業のお役立ち社労士”山田信孝です。

平成25年7月末、現在の「高速ツアーバス」と「高速乗合バス」の移行予定の「新高速乗合バス」における交替運転者の配置基準(案)が、2月12日、「高速ツアーバス等の過労運転防止のための検討会」において議論されました。

Ⅰ.夜間ワンマン運行

(1)1運行の実車距離

 原則400kmまでとし、次の①または②の要件を具備する場合に限り、500kmまでとする。

 ①運行前の休息時間が11時間以上

 ②運行途中に車内の適切な仮眠施設(床下仮眠施設など)で、連続1時間以上の仮眠休憩を確保

(2)1日の運転時間

  原則9時間までとする。

 (自社運行に限り、週3回までは9時間を超えることができる。)

(3)高速道における連続運転時間

  運行計画上、概ね2時間までとする。

(4)連続運行

  連続乗務回数は4回(2往復)までとする。

(1運行の実車距離が400kmを超える場合には、2回(1往復)まで)

(5)運行途中の休憩

  運転時間4時間ごとに30分以上の休憩を確保する。

 (実車距離が400kmを超える場合には40分以上)

(6)個別の特認(自社運行に限る。)

  路線ごとに個別審査により、実車距離が500kmを超えることができる(週2回まで)

Ⅱ.昼間ワンマン運行

(1)1運行の実車距離

  原則500kmまでとし、次の①または②の要件を具備する場合に限り、600kmまでとする。

 ①運行前の休息時間が11時間以上

 ②運行途中に車内の適切な仮眠施設(床下仮眠施設など)で、連続1時間以上の仮眠休憩を確保

(2)1日の運転時間

  原則9時間までとする。

 (自社運行に限り、週3回までは9時間を超えることができる。)

(3)高速道における連続運転時間

  運行計画上、概ね2時間までとする。

Ⅲ.体調の報告の義務付け

夜間ワンマン運行において、実車距離が400kmを超える場合及び昼間ワンマン運行において、実  車距離が500kmを超える場合には、運転者は乗務の途中において電話により体調の報告を行う。

Ⅳ.デジタコ(デジタル式運行記録計)による運行管理

実車距離が400kmを超える夜間ワンマン運行または実車距離が500kmを超える昼間ワンマン運行の場合には、デジタコ(デジタル式運行記録計)による運行管理を行う。

Ⅴ.遠隔地点呼の強化

始業・終業の点呼を遠隔地で行う場合には、共同運行事業者の運行管理者などの立会いにより、酒気帯び及び体調把握等を行う。

Ⅵ.運行管理体制

運行管理者は運行中は、原則営業所で業務を行うが、不在とする場合には、あらかじめ定めた場所で運行管理を行うことができる。

 

配置基準(案)は、今後パブリックコメント及び所要に改正を経て、正式に決定されることになります。

昨年4月の関越自動車道における高速ツアーバス事故を踏まえ、昨年7月20日から施行されている「夜間の高速ツアーバス」の配置基準では、1日の乗務時間(出庫から入庫まで)10時間の縛りがありますが、今回の配置基準(案)では乗務時間ではなく、運転時間9時間(自社運行に限り、週3回までは9時間超え、可)となっており、運転者の拘束時間が少し増えるものとなっています。

なお、運転者の乗務の途中における電話による体調の報告の規定化は、良い取組みだと思います。

最後までお読みいただきまして、誠にありがとうございました。

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