ウイング経営労務コラム

「安全性優良事業所の認定(Gマーク)」(運送業WING通信)   [2013.05.15]

こんにちは。

『東京ウイング社労士事務所』の山田信孝です。

トラックの安全輸送を第三者機関が認定する「貨物自動車運送事業安全性評価事業」について、ご紹介いたします。

1.事業の目的

平成15年7月から「安全性優良事業所」(Gマーク)認定制度として、毎年、トラック事業者の安全性を正当に評価し、認定することにより、利用者がより安全性の高い事業者を選びやすくするためのものです。

2.評価項目と配点

(1)安全性に対する法令の遵守状況(40点満点

①事業計画等(1項目、1点)

②帳簿類の整備、報告等(3項目、3点)

③運行管理等(12項目、23点)

④車両管理等(4項目、6点)

⑤労基法等(4項目、4点)

⑥運輸安全マネジメントの取組状況(3点)

※①~⑤は、適正事業実施機関による巡回指導時(平成24年12月1日~平成25年10月31日)に評価

(2)事故、違反の状況(40点満点

①事故の実績(20点)

平成22年12月1日~平成25年11月30日までの3年間に、有責の第一当事者となる自動車事故報告規則第2条各号に定める事故の有無(事故の実績がない場合は20点)

②違反(行政処分)の実績(20点)

 平成25年11月30日において、貨物自動車運送事業法に基づく行政処分の点数の有無(累積点数が20点を超える場合は0点、20点以下の場合は(20点-累積点数)を加点)

(3)安全性に対する取組の積極性(20点満点

 ①事故防止対策マニュアル等の活用(2点)

 ②事業所内での安全対策会議の定期的な実施(3点)

 ③荷主企業、協力会社または下請会社との安全対策会議の定期的な実施(2点)

 ④自社内独自の運転者研修の実施(3点)

 ⑤外部の研修機関、研修会への運転者等の派遣(2点)

 ⑥特定の運転者以外に対する適性診断(一般診断)の計画的な受診(2点)

 ⑦安全運行に繋がる省エネ運転の実施、その結果に基づく個別教育の実施(1点)

 ⑧運転記録証明書を定期的に取り寄せ、事故等を把握し、個別指導に活用(2点)

 ⑨グリーン経営認証、ISO(9001、14001など)等の取得(1点)

 ⑩行政機関、外部機関、トラック協会から輸送の安全に関する表彰の受賞(1点)

 ⑪その他輸送の安全に関する自主的、積極的、独創的、先進的な取組み(1点)

3.認定要件

(1)評価項目の評価点数の合計が80点以上

(2)下記の基準点を満たしている

 ①安全性に対する法令の遵守状況(40点満点のうち、32点以上

 ②事故、違反の状況(40点満点のうち、21点以上

 ③安全性に対する取組の積極性(20点満点のうち、12点以上

(3)法に基づく認可申請、届出、報告が適正

(4)社会保険、労働保険への加入が適正

4.評価の認定

全日本トラック協会が評価基準に基づき点数化し、第三者機関である「安全性評価委員会」への諮問・答申を経て認定される。

5.有効期間

新規認定は2年間(平成26年1月1日~平成27年12月31日)ですが、初回更新は3年間、2回目更新は4年間となっています。

6.「安全性優良事業所」(Gマーク)のインセンティブ

(1)違反点数の消滅

原則、行政処分の日から3年間で違反点数は消滅しますが、Gマークの取得により、2年間で違反点数が消滅します。

(2)IT点呼の導入                    

対面点呼の代替措置として、国土交通大臣が定める設置型または携帯型のカメラを有する機器による営業所間、車庫間での点呼が可能となります。

(3)点呼の優遇

2地点間を定時運行する場合、他の営業所における点呼や同一敷地内に所在するグループ企業間における点呼が認められます。

(4)補助条件の緩和

CNGトラック等の新車導入の補助について、最低台数の要件が1台(本来は3台)に緩和されます。

(5)全日本トラック協会による助成の優遇

 ①ドライバー等安全教育訓練促進助成制度に係る特別研修の受講料(全額助成)

 ②安全装置等導入促進助成事業に係るIT点呼用の携帯型アルコール検知器(1台1万円の助成)

 ③経営診断受診促進助成事業に係る診断助成金(10万円)

(6)損保会社の保険料の割引

例えば、あいおいニッセイ同和損保会社の「運送業総合保険」では、「安全性優良事業所」認定により、保険料が10%の割引となります。

なお、今年の申請期間は、平成25年7月1日(月)~12日(金)となっております。

Gマークの申請をご検討されている事業者様はお気軽に当事務所にお問い合わせください。

最後までお読みいただきまして、誠にありがとうございます。

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ビジネスガイド別冊2015年12月号 SR第40号(日本法令出版)に9頁にわたり、トラック運送業界の現状と今後の展開についての記事が掲載されました。

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