ウイング経営労務コラム

「マクロ経済スライド」とは   [2012.07.29]

こんにちは。

『東京ウイング社労士事務所』の山田です。

「マクロ経済スライド」とは、平成17年4月から導入され、物価変動のほか、年金の「被保険者の減少」「平均余命の伸び」を考慮して年金の給付金額を変動させる制度をいいます。

言い換えれば、持続可能な年金制度とするために、年金給付を抑制するための制度です。

しかし平成12年度から14年度における年金額の引き下げを特例措置として行わなかった1.7%を含め、2.5%分が解消されるまでは「物価スライド特例」が適用されているため、未だに「マクロ経済スライド」は発動されていません。

「マクロ経済スライド」が適用される場合には、「スライド調整率」の見込み率は「0.9%」となります。

内訳としては「被保険者の減少」の見込率は「0.6%」 「平均余命の伸び」の見込率は「0.3%」です。

つまり、

①   物価(賃金)の上昇率が、0.9%を超える場合には、年金の上昇率は

→ 「〇%-0.9%」  例:1.5%の場合 → 0.6%

②   物価(賃金)の上昇率が、0%から0.9%の場合には、年金の上昇率は

→ 「据え置き」

③   物価(賃金)の上昇率が、マイナスの場合には、年金の上昇率は

→ 「マイナス〇%」   例:マイナス0.3%の場合 → マイナス0.3%

となり、年金額は抑制されることになります。

2011年の日本人の平均寿命は女性85.90歳男性79.44歳で、前年比で女性は0.40歳男性は0.11歳、前年より縮んではいますが、ますます65歳以上の人口の割合が増え続けていくことが予想されているため、公的年金にだけに頼らない資金作りをあらかじめ計画しておくことが、老後のためには必要になると思われます。

最後までご愛読いただきまして、誠にありがとうございました。

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