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自動車運送事業の監査方針(運送業WING通信) [2013.10.04]
こんにちは。
『東京ウイング社労士事務所』の山田信孝です。
平成25年10月1日より、旅客自動車運送事業と貨物自動車運送事業の監査方針が、「自動車運送事業の監査方針」として一本化のうえ、施行されました。
1.監査の基本方針
(1)運行管理者または整備管理者を選任していない、全く点呼を実施していない、全く定期点検整備を実施していないなど、輸送の安全確保に支障を及ぼすおそれのある重要な法令違反の疑いのある事業者には、優先的に監査の対象とする。
(2)過去の監査、行政処分の状況、利用者等からの苦情等を踏まえ、事故の未然防止、法令遵守の徹底を図ることを目的として、効果的に実施する。
(3)元請事業者の下請事業者に対する輸送の安全の確保を阻害する行為の排除を視野に入れた監査を実施するほか、適正化実施機関との連携により、監査指導の充実及び強化を図る。
(4)監査のほか、呼出指導の実施を通じ、法令遵守意識の醸成を図るように努める。
2.監査の種類
(1)特別監査
引き起こした事故または疑いのある法令違反の重大性に鑑み、厳格な対応が必要と認められる事業者に対して、全般的な法令遵守状況を確認する監査。
(2)一般監査(改正前の巡回監査、呼出監査を一本化)
特別監査に該当しない監査で、監査端緒(下記3.)に応じた重点事項を定めて法令遵守状況を確認する監査。
(3)街頭監査(新設)
事業用自動車の運行実態等を確認するため、街頭において、事業者を特定せず、実施する監査(バス分野を念頭)。
3.監査対象事業者
事故または違反が、社会的影響の大きいものまたは悪質なもの・・・・・・・・特別監査
上記以外・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・一般監査
【監査端緒】
①適正化実施機関、利用者等の情報等により、法令違反の疑いがある事業者
②第一次当事者と推定される死亡事故を引き起こした事業者
③悪質違反(酒酔い・酒気帯び・過労・薬物使用・無免許・無資格・無車検・無保険運転、ひき逃げ)を引き起こした(疑い)事業者
④改善報告を命じられた事業者で、出頭拒否、改善報告を行わない、改善が認められない事業者
⑤適正化事業実施機関の巡回指導を拒否した事業者
⑥公安委員会、労働局、道路管理者等からの通知・通報で、法令違反の疑いのある事業者
⑦労働関係行政機関、年金機構から労働保険、社会保険に加入していない旨の通報のあった事業者
⑧労働関係行政機関から最低賃金法違反があった旨の通報があった事業者
⑨事故報告書の「事故の原因」、「事故の種類の区分」が、同一であるものを3年間に 3回以上引き起こした事業者
⑩事故報告書、事業報告書、事業実績報告書等を、所定の期限内に提出しなかった、虚偽の内容を記載した疑いがある、記載内容に法令違反の疑いがある事業者
⑪車両火災事故(旅客)、ホイール・ボルトの折損による車輪脱落事故、整備不良に起因すると認められる死傷事故を引き起こした事業者
⑫新規許可または事業の譲受の認可を受けた旅客自動車運送事業者
⑬事業計画の変更により、事業規模の拡大を行った旅客自動車運送事業者
⑭長期間、監査未実施の事業者(巡回指導を受けた事業者、Gマーク・セイフティバス取得の事業者を除外することができる)
⑮「緊急調整地域の指定等」、「特定特別監視地域等おいて試行的に実施する増車抑制対策等の措置」等により、監査を実施すべきとされている一般乗用旅客運送事業者
⑯自動認可運賃の下限を下回る運賃によりにより事業を営む一般乗用旅客運送事業者であって、定期的な報告を行わない、報告内容に法令違反の疑いがある
⑰貨物運送事業者の輸送の安全確保義務違反が認められた場合で、当該違反の関与が疑われる元請事業者
⑱貨物運送事業者の輸送の安全確保義務違反について、元請事業者に対する下請事業者等の苦情等により、監査を行うことが必要と認められる元請事業者
⑲道路運送法第35条第1項または貨物自動車運送事業法第29条第1項に規定する管理の受委託の許可を受けた事業者であって、受託者に法令違反の疑いがある委託者の事業者
⑳監査を受けた後または②、③に該当する事故、違反が発生した後、行政処分等までの間に事業用自動車等を移動させた事業者及びその移動先事業者であって、監査を行うことが必要と認められる事業者(いわゆる処分逃れ事業者)
㉑呼出指導の対象になったにもかかわらず、正当な理由なく、これに応じない事業者
㉒行政処分等を受けた際に、事業の改善状況の報告を命じられた事業者
㉓その他事故、法令違反、事件、苦情等の状況を勘案し、監査が必要と認められる事業者
4.監査対象事業者の把握(新設)
(1)運輸支局等は、監査端緒に関する情報に基づき、優先的に実施すべき事業者、法令違反の状況を踏まえ、継続的に監視すべき事業者を適切に把握する(事業者の法令違反歴、累積違反点数、講習受講状況、各種通報等により、事業者リストを整備)
(2)運輸支局等は、把握した事業者に関する情報を運輸局と共有する。
(3)把握した情報、共有・提供された情報は、不開示情報とする。
5.監査の実施方法等
(1)監査は、把握した情報を踏まえ、輸送の安全確保に支障を及ぼすおそれのある重要な法令違反の疑いがある事業者から優先的に実施する。
①社会的影響の大きい事故、違反が発生した場合は、速やかに実施
②適正化事業実施機関からの速報があった場合には、趣旨に留意し実施
(2)監査の方法
①臨店監査(無通告)・・・・事業者の営業所、事業場、車庫に立入ってして実施
②呼出監査・・・・・・・・・事業者の代表者等を運輸局・運輸支局に呼び出して実施
・事業の改善状況を確認する監査(処分後3月以内実施)
・監査端緒により確認事項が限定的で臨店不要なもの(過積載、スピード違反等)
③街頭監査(無通告)・・・・バスの発着場等、街頭において実施
6.監査の重点事項
①事業計画の遵守状況
②運賃・料金の収受状況
③損害賠償責任保険(共済)の加入状況
④自家用自動車の利用、名義貸し行為の有無
⑤社会保険等の加入状況
⑥賃金の支払い状況
⑦運送引受書(写しを含む)の作成・交付・保存状況(一般貸切旅客運送事業に限る)
⑧運行管理の実施状況
⑨整備管理の実施状況
7.呼出指導
(1)監査対象事業者のほか、指導が必要と認められる事業者に対し、呼出指導を実施する。
(2)呼出指導は事業者に自己点検表を提出させて実施する。
(3)正当な理由なく呼出指導に応じない場合は、監査を実施する等適切に対応する。
最後までお読みいただきまして、誠にありがとうございました。
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